-
落合 隆治(オチアイ リュウジ)
日本では現在解体される木造住宅の築年数の平均は約26年です。
この話はあくまで解体された建物〈特に状況が酷かった〉の場合であり、
築40~50年の木造住宅に暮らしておられる方は沢山います。
現在、この築40~50年という住宅が中古市場に出た場合、
更地価格から解体費を控除した額が一般的な評価額となります。
わずか50年もたたない間に新築住宅が粗大ゴミと化してしまう。
これが日本の現実です。
ヨーロッパやアメリカ等では築60~100年という中古住宅が
普通に流通しています。
では、何故でしょう?
一部では、気候の違いを理由に論じる方もいるようですが、
確かにそれも理由の一つにはなると思います。
でも、《もっと重要な事》があるのです。
我々住宅設計に携わる者は、とってつけたようなデザインを追求するのではなく、
その《もっと重要な事》に対して真摯に取り組んでいかなければなりません。
50年後にアンティークな家具のように愛され続ける家。
すなわち“Vintage住宅”を次世代に送り届ける事こそが、
我々に与えられたミッションであると考えます。職種 代表取締役